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ブートストラップ
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ブートストラップとは、アプリケーションが入ってくるリクエストの解決と処理を開始する前の、
環境を準備する過程を指すものです。ブートストラップは二つの場所、すなわち、[エントリスクリプト](structure-entry-scripts.md)
[アプリケーション](structure-applications.md)で行われます。
ブートストラップとは、アプリケーションが入ってくるリクエストの解決と処理を開始する前の、環境を準備する過程を指すものです。
ブートストラップは二つの場所、すなわち、[エントリスクリプト](structure-entry-scripts.md)[アプリケーション](structure-applications.md)で行われます。
[エントリスクリプト](structure-entry-scripts.md) では、さまざまなライブラリのためのクラスオートローダが登録されます。
この中には、Composer の `autoload.php` によるオートローダと、
Yii の `Yii` クラスファイルによるオートローダが含まれます。
エントリスクリプトは、次に、アプリケーションの [コンフィギュレーション](concept-configurations.md)
をロードして、[アプリケーション](structure-applications.md) のインスタンスを作成します。
この中には、Composer の `autoload.php` によるオートローダと、Yii の `Yii` クラスファイルによるオートローダが含まれます。
エントリスクリプトは、次に、アプリケーションの [構成情報](concept-configurations.md) をロードして、[アプリケーション](structure-applications.md) のインスタンスを作成します。
アプリケーションのコンストラクタでは、次のようなブートストラップの仕事が行われます。
1. [[yii\base\Application::preInit()|preInit()]] が呼ばれます。このメソッドは、いくつかの
優先度の高いアプリケーションプロパティ、例えば [[yii\base\Application::basePath|basePath]]
などを構成します。
1. [[yii\base\Application::preInit()|preInit()]] が呼ばれます。
このメソッドは、いくつかの優先度の高いアプリケーションプロパティ、例えば [[yii\base\Application::basePath|basePath]] などを構成します。
2. [[yii\base\Application::errorHandler|エラーハンドラ]] を登録します。
3. 与えられたアプリケーションコンフィギュレーションを使って、アプリケーションプロパティを初期化します。
4. [[yii\base\Application::init()|init()]] が呼ばれます。そして `init()`[[yii\base\Application::bootstrap()|bootstrap()]] を呼んで、
ブートストラップコンポーネントを走らせます。
3. 与えられたアプリケーションの構成情報を使って、アプリケーションのプロパティを初期化します。
4. [[yii\base\Application::init()|init()]] が呼ばれます。
そして `init()`[[yii\base\Application::bootstrap()|bootstrap()]] を呼んで、ブートストラップコンポーネントを走らせます。
- エクステンションマニフェストファイル `vendor/yiisoft/extensions.php` をインクルードします。
- エクステンションによって宣言された [ブートストラップコンポーネント](structure-extensions.md#bootstrapping-classes) を作成して走らせます。
- アプリケーションの [bootstrap プロパティ](structure-applications.md#bootstrap) に宣言されている
[アプリケーションコンポーネント](structure-application-components.md) および/または
[モジュール](structure-modules.md) を作成して走らせます。
ブートストラップの仕事は *全て* のリクエストを処理する前に、毎回しなければなりませんので、この過程を
軽いものに保って可能な限り最適化することは非常に重要なことです。
ブートストラップの仕事は *全て* のリクエストを処理する前に、毎回しなければなりませんので、この過程を軽いものに保って可能な限り最適化することは非常に重要なことです。
あまりに多くのブートストラップコンポーネントを登録しないように努めてください。ブートストラップ
コンポーネントが必要になるのは、リクエスト処理のライフサイクル全体に関与する必要がある場合だけです。
例えば、モジュールが追加の URL 解析規則を登録する必要がある場合は、モジュールを [bootstrap プロパティ](structure-applications.md#bootstrap)
のリストに挙げなければなりません。なぜなら、URL 規則を使ってリクエストが解決される前に、
新しい URL 規則を有効にしなければならないからです。
あまりに多くのブートストラップコンポーネントを登録しないように努めてください。
ブートストラップコンポーネントが必要になるのは、リクエスト処理のライフサイクル全体に関与する必要がある場合だけです。
例えば、モジュールが追加の URL 解析規則を登録する必要がある場合は、モジュールを [bootstrap プロパティ](structure-applications.md#bootstrap) のリストに挙げなければなりません。
なぜなら、URL 規則を使ってリクエストが解決される前に、新しい URL 規則を有効にしなければならないからです。
実運用モードにおいては、[PHP OPCache][APC] など、バイトコードキャッシュを有効にして、PHP ファイルを
インクルードして解析するのに要する時間を最小化してください。
実運用モードにおいては、[PHP OPCache][APC] など、バイトコードキャッシュを有効にして、PHP ファイルをインクルードして解析するのに要する時間を最小化してください。
[PHP OPcache]: http://php.net/manual/ja/book.opcache.php
[APC]: http://php.net/manual/ja/book.apc.php
大規模なアプリケーションには、多数の小さなコンフィギュレーションファイルに分割された、
非常に複雑なアプリケーション [コンフィギュレーション](concept-configurations.md) を持つものがあります。
そのような場合には、コンフィギュレーション配列全体をキャッシュしておき、エントリスクリプトでアプリケーションのインスタンスを作成する前には、コンフィギュレーション配列をキャッシュからロードするという方法を考慮してください。
大規模なアプリケーションには、多数の小さな構成情報ファイルに分割された、非常に複雑なアプリケーション [構成情報](concept-configurations.md) を持つものがあります。
そのような場合には、構成情報配列全体をキャッシュしておき、エントリスクリプトでアプリケーションのインスタンスを作成する前には、構成情報配列をキャッシュからロードするという方法を考慮してください。
......@@ -4,7 +4,7 @@
Yii のアプリケーションがリクエストを処理するときは、毎回、同じような作業の流れを経験します。
1. ユーザが [エントリスクリプト](structure-entry-scripts.md) `web/index.php` にリクエストをします。
2. エントリスクリプトは、アプリケーションの [コンフィギュレーション](concept-configurations.md) をロードして、リクエストを処理するための [アプリケーション](structure-applications.md) のインスタンスを作成します。
2. エントリスクリプトは、アプリケーションの [構成情報](concept-configurations.md) をロードして、リクエストを処理するための [アプリケーション](structure-applications.md) のインスタンスを作成します。
3. アプリケーションは、[リクエスト](runtime-requests.md) アプリケーションコンポーネントの助けを借りて、リクエストされた [ルート](runtime-routing.md) を解決します。
4. アプリケーションはリクエストを処理するための [コントローラ](structure-controllers.md) のインスタンスを作成します。
5. コントローラは [アクション](structure-controllers.md) のインスタンスを作成して、アクションのためのフィルタを実行します。
......
リクエスト
==========
アプリケーションに対するリクエストは、リクエストのパラメータ、HTTP ヘッダ、クッキーなどの情報を提供する [[yii\web\Request]]
オブジェクトの形で表されます。与えられたリクエストに対応するリクエストオブジェクトには、
既定では [[yii\web\Request]] のインスタンスである `request` [アプリケーションコンポーネント](structure-application-components.md)
を通じてアクセスすることが出来ます。この節では、アプリケーションの中でこのコンポーネントをどのように利用できるかを説明します。
アプリケーションに対するリクエストは、リクエストのパラメータ、HTTP ヘッダ、クッキーなどの情報を提供する [[yii\web\Request]] オブジェクトの形で表されます。
与えられたリクエストに対応するリクエストオブジェクトには、既定では [[yii\web\Request]] のインスタンスである `request` [アプリケーションコンポーネント](structure-application-components.md) を通じてアクセスすることが出来ます。
この節では、アプリケーションの中でこのコンポーネントをどのように利用できるかを説明します。
## リクエストのパラメータ <a name="request-parameters"></a>
リクエストのパラメータを取得するためには、`request` コンポーネントの [[yii\web\Request::get()|get()]] および
[[yii\web\Request::post()|post()]] メソッドを呼ぶことが出来ます。これらは、ぞれぞれ、`$_GET``$_POST` の値を返します。例えば、
リクエストのパラメータを取得するためには、`request` コンポーネントの [[yii\web\Request::get()|get()]] および [[yii\web\Request::post()|post()]] メソッドを呼ぶことが出来ます。
これらは、ぞれぞれ、`$_GET``$_POST` の値を返します。例えば、
```php
$request = Yii::$app->request;
......@@ -34,13 +33,12 @@ $name = $request->post('name', '');
// $name = isset($_POST['name']) ? $_POST['name'] : ''; と同等
```
> Info|情報: 直接に `$_GET` と `$_POST` にアクセスしてリクエストのパラメータを読み出す代りに、上記に示されているように
`request` コンポーネントを通じてそれらを取得することが推奨されます。このようにすると、ダミーのリクエストデータを持った
模擬リクエストコンポーネントを作ることが出来るため、テストを書くことがより容易になります。
> Info|情報: 直接に `$_GET` と `$_POST` にアクセスしてリクエストのパラメータを読み出す代りに、上記に示されているように、`request` コンポーネントを通じてそれらを取得することが推奨されます。
このようにすると、ダミーのリクエストデータを持った模擬リクエストコンポーネントを作ることが出来るため、テストを書くことがより容易になります。
[RESTful API](rest-quick-start.md) を実装するときは、PUT、PATCH またはその他の [リクエストメソッド](#request-methods)
によって送信されたパラメータを読み出さなければならないことがよくあります。そういうパラメータは [[yii\web\Request::getBodyParam()]]
メソッドを呼ぶことで取得することが出来ます。例えば、
[RESTful API](rest-quick-start.md) を実装するときは、PUT、PATCH またはその他の [リクエストメソッド](#request-methods) によって送信されたパラメータを読み出さなければならないことがよくあります。
そういうパラメータは [[yii\web\Request::getBodyParam()]] メソッドを呼ぶことで取得することが出来ます。
例えば、
```php
$request = Yii::$app->request;
......@@ -76,8 +74,7 @@ if ($request->isPut) { // リクエストメソッドは PUT }
`request` コンポーネントは現在リクエストされている URL を調べるための方法を数多く提供しています。
リクエストされた URL が `http://example.com/admin/index.php/product?id=100` であると仮定したとき、
次にまとめたように、この URL のさまざまな部分を取得することが出来ます。
リクエストされた URL が `http://example.com/admin/index.php/product?id=100` であると仮定したとき、次にまとめたように、この URL のさまざまな部分を取得することが出来ます。
* [[yii\web\Request::url|url]]: `/admin/index.php/product?id=100` を返します。ホスト情報の部分を省略した URL です。
* [[yii\web\Request::absoluteUrl|absoluteUrl]]: `http://example.com/admin/index.php/product?id=100` を返します。
......@@ -93,8 +90,7 @@ if ($request->isPut) { // リクエストメソッドは PUT }
## HTTP ヘッダ <a name="http-headers"></a>
[[yii\web\Request::headers]] プロパティによって返される [[yii\web\HeaderCollection|header コレクション]]
を通じて、HTTP ヘッダ情報を取得することが出来ます。例えば、
[[yii\web\Request::headers]] プロパティによって返される [[yii\web\HeaderCollection|header コレクション]] を通じて、HTTP ヘッダ情報を取得することが出来ます。例えば、
```php
// $headers は yii\web\HeaderCollection のオブジェクト
......@@ -106,7 +102,8 @@ $accept = $headers->get('Accept');
if ($headers->has('User-Agent')) { // User-Agent ヘッダが在る }
```
`request` コンポーネントは、よく使用されるいくつかのヘッダにすばやくアクセスする方法を提供しています。その中には下記のものが含まれます。
`request` コンポーネントは、よく使用されるいくつかのヘッダにすばやくアクセスする方法を提供しています。
その中には下記のものが含まれます。
* [[yii\web\Request::userAgent|userAgent]]: `User-Agent` ヘッダの値を返します。
* [[yii\web\Request::contentType|contentType]]: リクエストボディのデータの MIME タイプを示す `Content-Type` ヘッダの値を返します。
......@@ -115,20 +112,16 @@ if ($headers->has('User-Agent')) { // User-Agent ヘッダが在る }
* [[yii\web\Request::acceptableLanguages|acceptableLanguages]]: ユーザが受け入れ可能な言語を返します。
返される言語は優先レベルによって順序付けられます。最初の要素が最も優先度の高い言語を表します。
あなたのアプリケーションが複数の言語をサポートしており、エンドユーザが最も優先する言語でページを表示したいと思う場合は、
言語ネゴシエーションメソッド [[yii\web\Request::getPreferredLanguage()]] を使うことが出来ます。
このメソッドはアプリケーションによってサポートされている言語のリストを引数として取り、 [[yii\web\Request::acceptableLanguages|acceptableLanguages]]
と比較して、最も適切な言語を返します。
あなたのアプリケーションが複数の言語をサポートしており、エンドユーザが最も優先する言語でページを表示したいと思う場合は、言語ネゴシエーションメソッド [[yii\web\Request::getPreferredLanguage()]] を使うことが出来ます。
このメソッドはアプリケーションによってサポートされている言語のリストを引数として取り、 [[yii\web\Request::acceptableLanguages|acceptableLanguages]] と比較して、最も適切な言語を返します。
> Tip|ヒント: [[yii\filters\ContentNegotiator|ContentNegotiator]] フィルタを使用して、レスポンスにおいて
どのコンテントタイプと言語を使うべきかを動的に決定することも出来ます。このフィルタは、上記で説明したプロパティとメソッドの上に、
コンテントネゴシエーションを実装しています。
> Tip|ヒント: [[yii\filters\ContentNegotiator|ContentNegotiator]] フィルタを使用して、レスポンスにおいてどのコンテントタイプと言語を使うべきかを動的に決定することも出来ます。
このフィルタは、上記で説明したプロパティとメソッドの上に、コンテントネゴシエーションを実装しています。
## クライアント情報 <a name="client-information"></a>
クライアントマシンのホスト名と IP アドレスを、それぞれ、[[yii\web\Request::userHost|userHost]] と
[[yii\web\Request::userIP|userIP]] によって取得することが出来ます。例えば、
クライアントマシンのホスト名と IP アドレスを、それぞれ、[[yii\web\Request::userHost|userHost]] と [[yii\web\Request::userIP|userIP]] によって取得することが出来ます。例えば、
```php
$userHost = Yii::$app->request->userHost;
......
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